由緒
伝説によると、推古天皇の治世において創建。この地で崩御された烏の神を祀る。五烏大明神は五色の烏であるが、本体は五智如来、あるいは大日如来である。のちに、保食神(オオゲツヒメ)とも習合している。なぜ五色なのかというと、陰陽五行説の五行であり、真言密教の五智如来であり、五臓を守るということを表しているからである。伝説に市杵島姫命が登場するなど、宮島との関わりが深い。厳島神社の創立者の佐伯鞍職も、推古元年にイチキシマヒメと感応し、宮島を創始している。
もう一つ短い伝説があり、そちらは天武天皇の時代に、この地で朱い三本足の烏が生まれて、朝廷に献上したところ、天皇はたいへんお喜びになったというものである。そのことから直ちに元号を朱鳥とし、この地を烏王庄と名付けられた。いずれにしてもカラスの神霊を祀るものである。